工賃・お金のこと

就労継続支援B型の工賃の仕組み|全国平均と決まり方

公開日: 2026年5月25日

就労継続支援B型の工賃は、賃金ではなく「作業の成果に応じて支払われるお金」です。仕組みを正しく知っておくと、過度な期待や誤解をせずに事業所を選べます。

この記事では、工賃の決まり方・全国の目安・向上の取り組み・支払い方まで、誤解のないようにやさしく解説します。

工賃と賃金のちがい

まず押さえたいのは、B型の「工賃」は雇用契約にもとづく「賃金」とは別物だということです。

A型や一般就労の賃金は、雇用契約にもとづき最低賃金以上が支払われます。一方、B型は雇用契約を結ばないため最低賃金の適用がなく、作業の成果に応じた「工賃」が支払われます。一般に工賃は賃金より低い水準になりやすい点は、知っておきたいところです。

工賃の決まり方

工賃は、事業所が行う生産活動(作業)の収益をもとに支払われます。

そのため金額は事業所・作業内容・通所日数によって大きく変わります。同じB型でも、扱う作業や受注状況で差が出ます。「必ず○円もらえる」というものではない点に注意してください。広告などで高額を断言する説明より、仕組みを正直に伝えてくれる事業所のほうが安心の目安になります。

全国の平均はいくら?

厚生労働省の調査では、令和5年度の全国平均工賃は月額23,053円でした。あくまで全国の平均で、実際の金額は事業所ごとに異なります。

「平均より高いか低いか」だけで判断せず、作業内容が自分に合うか、無理なく通えるかとあわせて考えるのがおすすめです。気になる金額は、見学のときに直接たずねるのが確実です。

工賃向上の取り組み

事業所や本人の取り組みによって、工賃の向上につながる場合があります。

たとえば、付加価値の高い作業に取り組む、通所が安定する、作業の幅を広げる、といったことです。国や自治体も「工賃向上」を後押ししています。ただし向上の度合いは状況により異なり、保証されるものではありません。

支払いと、ほかの制度との関係

工賃の支払い方や、年金・手当との関係は、事前に確認しておくと安心です。

多くの事業所で工賃は月ごとに支払われますが、タイミングや方法は事業所により異なります。また、工賃を受け取ることが障害年金や手当に影響するかは制度・個別の状況によります。気になる場合は年金事務所や窓口で確認しましょう。利用料との違いは利用料の記事で解説しています。

工賃が賃金より低めなのはなぜ?

B型の工賃が一般の賃金より低くなりやすいのは、雇用契約を結ばない仕組みだからです。

B型は「働く力を育てる」ことに重きを置いた福祉サービスで、最低賃金の適用がありません。そのぶん、体調に合わせて休めたり、短時間から始められたりと、働き方の自由度が高いのが特徴です。「金額」だけでなく「無理なく続けられるか」も合わせて考えると、納得して選べます。収入を増やしたい場合は、A型や一般就労へのステップアップという道もあります(就労支援サービスの種類参照)。

工賃以外に受け取れるお金もある

暮らしを支えるお金は、工賃だけではありません。制度を組み合わせて考えるのが大切です。

たとえば障害年金や各種手当を受けている方もいます。これらと工賃を合わせて生活を組み立てる方も少なくありません。どの制度が使えるかは個別の状況によるため、年金事務所や市区町村の窓口で確認しましょう。

見学で工賃について聞くときのポイント

金額だけでなく「決まり方」を聞くと、信頼できる事業所か見えてきます。

「工賃はどのように決まりますか」「支払いはいつですか」「工賃を上げる取り組みはありますか」と尋ねてみましょう。高額を断言する説明より、仕組みを正直に説明してくれる事業所のほうが安心です。

よくある質問

Q1. 工賃はいくらですか。
事業所・作業内容・通所日数により異なるため一律の金額はありません。厚生労働省の調査では令和5年度の全国平均は月額23,053円でした。実際の金額は見学時に各事業所へご確認ください。

Q2. 工賃はどうやって決まりますか。
作業の成果に応じて支払われます。雇用契約ではないため最低賃金の適用はありません。

Q3. 工賃は上げられますか。
作業の幅を広げたり通所が安定したりすることで、工賃向上につながる場合があります。事業所にご相談ください。

Q4. 工賃はいつ支払われますか。
多くの事業所で月ごとに支払われますが、タイミングや方法は事業所により異なります。見学時に確認しておくと安心です。

Q5. 工賃をもらうと障害年金や手当に影響しますか。
制度や個別の状況によって扱いが異なります。気になる場合は年金事務所や市区町村の窓口で確認するのが確実です。