就労を考える

就労継続支援B型から一般就労を目指すには|ステップアップの流れと受けられる支援

公開日: 2026年6月5日

この記事でわかること

  • 就労継続支援B型から一般就労(就職)を目指せるのか、いまの状況
  • B型 → 就労移行支援 → 就職 → 定着、という基本ステップ
  • B型に通いながらできる準備と、就労移行支援・就労定着支援の使い方
  • 焦らず進めるための考え方と、前橋市・近隣での相談先(FAQ付き)

就労継続支援B型は「ずっとB型」である必要はなく、体調や力がついてきたら一般就労へとステップアップしていける場所です。ただし、急がないことも同じくらい大切です。この記事では、B型から一般就労を目指す方とご家族に向けて、流れと受けられる支援を、現場の目線でやさしくまとめました。

私たちプレフルワーク前橋にも、「いつかは就職したい」「でも今は不安」というご相談がよく届きます。その経験をふまえて、無理のない進め方をお伝えします。

就労継続支援B型から一般就労は目指せる?

結論からいうと、B型から一般就労を目指すことは可能で、実際に毎年多くの方が福祉サービスから一般企業へと就職しています。まずは全体像をおさえておきましょう。

厚生労働省の資料によると、就労系の障害福祉サービス(就労移行支援・就労継続支援A型・B型)から一般企業への就職者数は年々増えており、令和6年には約2.9万人が一般就労へと移行しています(厚生労働省 障害者の就労支援に関する資料)。

一方で、就労継続支援B型からの一般就労への移行は、就労移行支援などに比べると割合としては横ばいという報告もあります。つまり、「B型からも道はあるが、多くの場合は段階を踏んで進む」のが実際のところです。だからこそ、焦らずに準備を重ねることが近道になります。

「まずはB型で働く」こと自体に価値がある

一般就労がゴールでなくても、B型で働く経験そのものが大きな意味を持ちます。生活のリズムが整い、人と関わる自信がつき、「自分にもできる作業がある」と実感できることは、その後の選択肢を広げてくれます。

就職を急ぐより、まずは通い続けられることを目標にして大丈夫です。

一般就労までの基本ステップ

B型から一般就労までは、「B型 → 就労移行支援 → 一般就労 → 就労定着支援」という流れが基本の形です。ただし全員がこの順番をたどるわけではありません。

イメージしやすいように、代表的なステップを表にまとめます。

ステップ場所・サービス主な目的
① 通い始め就労継続支援B型生活リズムづくり・作業に慣れる
② 力をつけるB型(作業・対人・体調管理の練習)「働く土台」を整える
③ 就職準備就労移行支援就職に向けた訓練・職場探し・実習
④ 就職一般企業(障害者雇用 など)自分に合った職場で働く
⑤ 定着就労定着支援就職後の悩みを相談しながら働き続ける

大切なのは、この階段は一段ずつでよく、途中で立ち止まったり、前の段に戻ったりしてもよいということです。体調に波があるのは自然なことなので、自分のペースで進めていきましょう。

就労支援サービス全体の種類と選び方は、働きたい障がいのある方へ|就労支援サービスの種類と選び方でも詳しく解説しています。

B型にいる間にできる「就職への準備」

就職に向けた準備は、特別なことではなく、B型での毎日の積み重ねがそのまま土台になります。ここでは代表的な4つの準備を紹介します。

① 生活リズムを整える

毎日決まった時間に通えるようになることが、働く力の第一歩です。朝起きて支度をし、事業所に通うという生活が安定すると、就職後の勤務にもつながっていきます。

② 作業スキルと「集中できる時間」を伸ばす

得意な作業を見つけ、続けられる時間を少しずつ伸ばしていくことが自信になります。軽作業、ものづくり、パソコン作業など、B型でできる作業は幅広くあります。どんな作業があるかは就労継続支援B型でできる作業の種類をご覧ください。

③ 人との関わり方に慣れる

あいさつ・報告・相談といったやり取りに慣れておくと、職場でも安心して働けます。スタッフや仲間との何気ない会話の積み重ねが、立派な練習になります。

④ 体調管理と「不調のサイン」を知る

自分の体調の波を知り、早めに相談できることは、働き続けるうえでとても大切な力です。無理をしない通い方については、体調に波があっても通える?就労継続支援B型の通い方も参考にしてください。

就労移行支援とは?就職に向けた次のステップ

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方が、就職のための訓練や職場探しを行う障害福祉サービスです。B型で力をつけた次のステップとしてよく利用されます。

対象は、原則18歳以上65歳未満で、一般企業への就職を希望する方です。利用期間は原則として最長24か月(2年)とされています。事業所では、ビジネスマナーやパソコンスキルの訓練、職場実習、応募書類の作成、面接の練習などを、支援員と一緒に進めていきます。

B型と就労移行支援は、目的が「働き続けること」か「就職を目指すこと」かで役割が分かれています。両者の違いや使い分けは、就労継続支援A型とB型の違いとあわせて整理すると分かりやすくなります。

B型から就労移行支援への移り方

移行のタイミングや手続きは、まず事業所のスタッフや相談支援専門員に相談するのが安心です。受給者証の区分変更などが必要になる場合があるため、自己判断で進めず、窓口や支援者と一緒に確認していきましょう。

就労定着支援とは?就職した後も支えてくれる仕組み

就労定着支援は、就職した後に「働き続けられるように」職場での悩みを相談できる、就職後のサポート制度です。就職がゴールではなく、その先を支えてくれる仕組みがあると知っておくと安心です。

就労定着支援は2018年4月に始まった比較的新しいサービスで、就労系のサービスを利用して一般就労し、6か月が経過した方が対象です。利用期間は1年ごとの更新で、最長3年間まで支援を受けられます。職場の人間関係や生活面の悩みについて、支援員が相談に乗り、必要に応じて企業との間に入って調整してくれます。

就労移行支援就労定着支援
タイミング就職する前就職した後
主な目的就職に向けた訓練・職場探し働き続けるための相談・調整
期間の目安原則 最長24か月就職6か月後から 最長3年

※制度の詳細や最新の運用は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口でご確認ください。

B型から直接一般就労するケースもある

必ずしも就労移行支援を経る必要はなく、B型から直接一般企業へ就職する方もいます。進み方は人それぞれで、決まった正解はありません。

たとえば、B型での作業を通じて企業とのつながりができたり、施設外就労(企業内での作業)をきっかけに採用につながったりすることもあります。大切なのは、「自分にとって無理のないルートを選ぶこと」です。どのルートが合いそうかは、支援員と一緒に考えていけます。

ステップアップの進み方(イメージ例)

実際の進み方をイメージできるよう、よくあるパターンを一般的な例として紹介します。※特定の個人の事例ではなく、一般化したイメージです。

  • 例1:ゆっくり土台を固めるケース ── 週2日・短時間からB型に通い始め、半年ほどで週4〜5日に。生活リズムと作業の自信がついた段階で、支援員と相談しながら就労移行支援を検討。
  • 例2:体調と相談しながら進むケース ── 体調の波があるため、無理に就職を急がず、B型で働きながら通院と両立。調子のよい時期に職場実習に挑戦し、少しずつ就職の準備を進める。
  • 例3:作業の縁から就職につながるケース ── B型での施設外就労(企業での作業)が縁となり、その企業の障害者雇用へ。就職後は就労定着支援で相談を続ける。

いずれのケースも、共通しているのは「本人のペースを最優先にしている」点です。

焦らないことが、いちばんの近道

ステップアップで最も大切なのは、就職を急ぐことではなく、自分の体調と気持ちを大切にしながら進むことです。うまくいかない時期があっても、それは後退ではありません。

一度就職してみて合わなければ、またB型に戻って力を蓄えてもよいのです。福祉サービスは、こうした「行きつ戻りつ」を支えるためにあります。ご家族としても、本人のペースを見守る姿勢が、結果的に長く働くことにつながります。ご家族の関わり方に迷ったときは、事業所選びのポイントもあわせてご覧ください。

前橋市・近隣で相談するには

まずは、いま通っている事業所のスタッフや、お住まいの地域の相談支援専門員に相談するのが第一歩です。一人で抱え込まず、支援者と一緒に進めていきましょう。

就職に関する相談は、ハローワークの専門援助部門や、地域障害者職業センターなども利用できます。前橋市および近隣(高崎市・伊勢崎市・渋川市・玉村町など)で「B型からのステップアップ」について知りたい方は、私たちプレフルワーク前橋の見学・体験でも、実際の作業を見ながらご相談いただけます。どんな作業をしているかは作業内容のページでもご紹介しています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。制度の対象・期間・手続きは変更される場合があり、個別の状況によって異なります。最新の内容や具体的な手続きは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口、相談支援専門員、ハローワーク等にご確認ください。出典:厚生労働省「障害者の就労支援について」 ほか。